私は齢20歳の時にとある組織を設立してもうかれこれ10年以上、組織の運営に携わっています。
組織を運営していくということは時に理不尽な仕打ちを受けたり、時に至高の喜びに立ち合えたりと大変面白いもので、組織を維持成長させていく過程は答えのない問いを解き続けるようなものだと感じています。
そうして出来上がったいく組織というものはある種の芸術作品に似た趣があります。
私は、特別組織運営に興味を持っていたわけでもなく組織運営が得意だったわけでもありません。言うなればただの思い付きで組織を設立し、その流れで運営をしてきただけなので運営に対する知識などは全くありませんでした。
設立当初はノリと勢いで多少強引に組織を運営していましたが、設立して2~3年目くらいになるとノリと勢いだけでは運営が立ち行かなくなりどうしたものかと思い悩んだ時期があります。
そんな折にちょうど世間で流行っていたのが「もしも高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」通称「もしドラ」なる本です。
アニメ化や映画化もしているのでご存知の方も多いでしょう。
御多分に漏れず私も「もしドラ」なる作品が存在している事とある程度の内容は把握しておりました。
そしてこう思い至ったのです。
ドラッガーのマネジメント読めば、組織運営の糧になるんじゃないか?
人間の感情とはひどく単純なもので、こう思い至った時には立ち込めていた暗雲が晴れ渡ったかのような・・・ いや、さらに詳しく例えるならば一筋の雷が立ち込めていた暗雲を吹き飛ばしたかのような爽快な気持ちになったのを今でも鮮明に覚えています。
「思い立ったが吉日」これは私の人生の指針でもあります。
思い立ったのならやる他ない。若かりし頃に組織を立ち上げた時もそうでした。
何もせずに延々と悩むくらいならばやってみてから悩む方が遥かに良いと思っています。
この時もそうで天啓の如き閃きを得た次の瞬間には既にAmazonの買い物かごの中にドラッガーのマネジメントが1冊入っておりました。
思い立ってしまった以上買う以外の選択肢はない。至極当然な方程式です。
前置きが少し長くなってしまいましたが、そうして手に入れたマネジメントという1冊の本。
この本が組織を運営するにあたって如何に役立ったかを今日は語りたいと思い、延々とここまで前口上を述べさせていただいていたわけです。
前置きが長くなりましたがこのドラッガーのマネジメントという本、この本が如何に素晴らしい本かというのを皆様と共有していきたいと思います。
まずこの本を手に取った時、その十分な厚さと重みが我々に与えてくれる安心感の大きさは計り知れません。
十分に厚くそしてずっしりとした重み・・・ それはこの本の中に詰まっている情報の多さ、そして濃さを物語っているのだと感じます。
そしてその瞬間、この本こそ我々の前に立ちはだかる大きな壁を打ち砕く力なのだと気付くのです。
更にこの本を購入することで「自分は組織運営のためにマネジメントという本を買った」という事実を手に入れられます。
これもマネジメントを購入して得られる大きな効果の1つです。
組織運営のためにマネジメントを購入した。それは即ち組織運営という命題に対して真剣に取り組んでいる証拠です。
つまりマネジメントという本は、組織運営に真剣に向き合っている自分と対面できる鏡とも言えるでしょう。
またマネジメント不所持の自分からマネジメント所持の自分に変われたということは、それだけで大変大きな自信に繋がります。
私自身もこの自信に大変救われてきました。
何か運営で行き詰まった時も「自分はマネジメントを持っているんだ。」という謎の自信が湧いてきて、不思議な力によって様々な局面を乗り越えることができました。
ここまで読んでくれた方はお気付きかもしれませんが、この時点で私はまだマネジメントを読んではいません。
故に組織運営に対する知識は何1つ増えてはいません。
しかしプラシーボ効果という表現が1番近いでしょうか。
自分はマネジメントを持っているから大丈夫だという思い込みが実際に良い影響を与えてくれていたように感じます。
プラシーボ効果というと皆さんは「鶴の恩返し」という昔話をご存知でしょうか。
おじいさんに助けられた鶴が人間に化けて恩返しに現れ、自分の羽を使い機を織る。機を織る姿は決して見ないでくださいと言われていたおじいさんは欲に負けその姿を見てしまう。姿を見られた鶴はその場から立ち去り二度とおじいさんの元へ姿を見せることはなかった。
と、こんなお話しですが実はこのお話、江戸時代に実際にあったプラシーボ効果の話が元になっていると言われています。
ある男が病にかかり床に伏せてしまった。何件も医者にかかったが原因がわからず困っていると、その男の妻が良い薬があると数粒の白い薬を男に手渡す。いわく「妻の家系に先祖代々伝わる秘伝の薬」とのこと。これを飲めばどんな病もたちどころに良くなるらしい。
妻の家系を先祖代々高名な医者の家系だったと聞き及んでいた男は喜んでその薬を飲む。するとこれまでの不調が嘘のようにすぐに病が治った。これは凄いと妻にその秘伝の薬の作り方を聞くと、この薬の作り方を他の家系に伝えることは禁じられていると言われ教えてもらうことはかなわなかった。
その後、再び男は原因不明の病にかかる。妻に以前飲ませてくれた秘伝の薬を作ってくれと頼むと妻は「秘伝の薬を作っているところは決して見ないでください」と言い炊事場へ消えた。よせばいいのに男は欲に負けて炊事場を除いてしまう。そこにはせっせと小麦粉をこねて丸める妻の姿があった。秘伝の薬など最初からなかったのだ。
その事実を知ってしまった男にはもう二度と妻の作った秘伝の薬が効くことはなかったという。
この思い込みの力は病をも治すという江戸時代にあったプラシーボ効果のお話が鶴の恩返しの元の話と言われています。
まあこれは私が考えた嘘なのですが、それくらいプラシーボ効果というのは凄いのです。
少し話は脱線しましたが要するに何が伝えたいかというと、マネジメントを買うだけで運営に対する自信が付き運営がうまく行くようになる。
だからマネジメントは凄いということです。
読まなくても運営が上手くいくなんてまるで夢のような著書です。
実際に購入しただけで全く読んでいない私が言うので間違いないです。
とにかく皆さん、組織運営に悩んだらドラッガーのマネジメントを購入してみてはいかがでしょうか?