文才に恵まれますように…

文才に恵まれたい

市内とマクドナルド

小学生の頃、仲間内の数人とお小遣いをためて広島市に行ったことがある。

 

広島県という県は【広島市と愉快な仲間たち】って感じで

広島市以外広島じゃないのって、もう私以外私じゃないのみたいなゲスを極めたような雰囲気が漂ってる。

 

老いも若きも広島市に憧れ県民はこぞって広島市を目指す。

そして広島市の、それも1番賑わう中心部のことを「市内」と言う。

それが広島という県だ。

 

そんなこんなで当時、広島から遠く離れたくそ田舎に住んでた俺たちは例にならって広島市を目指すべく旅立ったのであった。

 

当時バスと電車を乗り継いで、確か片道1000円くらいの交通費がかかったんで、往復するとなると交通費だけで2000円がなくなる。

子供料金だとしても往復1000円だ。

 

小学生にとっての1000円はかなりの大金である。

恐らく当時1000円あれば1ヶ月は軽く過ごせたであろう。

 

しかし俺たちは市内に行きたかった。

どうしても市内という世界を堪能してみたかった。

 

貯金箱からお金を出す。小銭ばかりだったけど2000円くらいはあった。

そして仲間と共にバスに乗ったのだ。

このバスは俺たちを未知の世界に連れて行ってくれる。

俺たちの心は自ずと高ぶっていっていた。

 

そしてバスを降りると今度は電車に乗り換えだ。

ここで補足しておくと、俺の地元の町は駅がないくらいのくそ田舎なので最寄りの駅に行くのすらバスで30分くらいかかる。

単純な距離だけではなく交通の便でも広島市というのは遥か遠い地だった。

 

なので俺たちはみんな電車に乗る機会なんてほとんど無いに等しかった。

仲間の中には初めて電車に乗るというヤツまでいた。

当時はまだ自動改札なんてものは無かったので駅員さんにキップを切ってもらい改札をくぐる。

 

駅員さんにキップを切ってもらっただけなのに、少し大人になった気がした。

 

そして電車に乗り十数駅・・・ 俺たちはついに憧れの市内へと降り立ったのだ。

 

眼前に広がる風景に俺たちは絶句した。

ビル、そして人。

地元では決して目にすることのない風景が広がっていた。

 

地元なんて見渡す限りの畑。人なんてのもほとんど歩いていない。

遠目に人がいるって近づいたらカカシだったってこともざらだ。

 

それがここはどうだ。見渡す限りの人やビル。

俺たちはその風景に圧倒されてしまっていた。

それどころか、ここに来たことを少し後悔してさえいた。

俺たちにはまだ早すぎたんだ…。 足が震える。

 

全員がそう思っていた。

先ほどまでのテンションが嘘みたく、全員静まりかえっていた。

 

誰かが口を開く

「これからどうする?」

 

時間はまだ午前中の早い時間。

なるべく長く市内を堪能したかったから早起きしてきたのだ。

しかし、俺たちは大きな失敗をしていた。

 

市内に来ることが目的となってしまっていたため

市内に来て何をするかまでは考えていなかったのだ。

 

更に言えばくそ田舎のクソガキ集団の頭では市内でできることなんて想像できるはずもない。

三人寄れば文殊の知恵なんて誰が言った。そこにいたのは紛うことなき烏合の衆だった。

とりあえず、野球やおにごっこはできそうにない。

かくれんぼなんてした日には永遠に帰れなくなる気さえした。

 

そして田舎民の小学生達が、その頭を必死に絞って出した答えが

マクドナルドを食べる」だった。

 

笑わないでほしい。

何故だかは知らないけど当時の俺たちの頭には

「都会=マクドナルド」という訳のわからない等式が出来上がっていたのだ。

 

しかしマクドナルドが何処にあるかはわからない。

今思えば、降り立った広島駅にもマクドナルドは入っていたんだけど

くそ田舎の小学生だった俺たちがそんなこと知っているわけがない。

 

「まあ歩いてれば見つかるでしょ!」

 

そう良いながら、まるでコンビニでも探すかのようにマクドナルドを探す。

そして当然のことながら歩いているだけでマクドナルドを見つけられる可能性は少ない。

 

行けども行けども見当たらないマクドナルド。

何なら都会なら数十メートルおきくらいの間隔でマクドナルドがあるもんだと思っていた俺たち。

誰も口にしないが、誰しもが思っていただろう。

 

もしかして都会でもマクドナルドってそんなにないのでは?

 

そんな矢先、俺は見覚えのある風景に出くわす。

実は俺にはアドバンテージがあったのだ。

祖父母宅が広島市内にあり、中心部にたまに遊びに連れて行ってもらっていたのだ。

そしてお昼にマクドナルドを食べさせてもらったこともある。

 

勝った。俺はその時確信した。そして大きな声で仲間に言う。

「俺、ここ来たことある。」

 

先ほどまで泣きそうな顔で歩いていた仲間達の表情に期待に光が灯る。

「じゃあマックは、マックはわかる?」

まるでプレゼントを貰う直前の子供のように目を輝かす仲間達。

 

「わかる!」

 

その瞬間、歓声があがった。

砂漠を彷徨っていたら突如、オアシスの場所を知っている者が現れたら誰だって歓声をあげるに違いない。

それと同じことが今ここで起こったのである。

 

それから多少迷いつつも、俺たちはマクドナルドに辿り着いてハンバーガーとポテトを食べたのである。

 

明日学校で「市内に行って帰ってきた」だけの集団から「市内に行ってマクドナルドを食べて帰ってきた」英雄へとクラスアップした瞬間だった。

 

と、まあこんな思い出を先日の休みに市内をブラブラしながら

昼飯も特に食べたいものないしマックでいいかって

たまたま小学生だったあの日に行ったマックに入ったので思い出したわけです。

 

小学生の時は憧れだった市内にマクドナルド

大人になるにつれ急激にランクダウンしたよなーって思いながら

少し悲しい気持ちになると共に

いや、小学生の俺、憧れすぎだろ…

と、なんともいえない気持ちになったので書いてみた次第です。

 

ドラッガーのマネジメントを購入して…

私は齢20歳の時にとある組織を設立してもうかれこれ10年以上、組織の運営に携わっています。

組織を運営していくということは時に理不尽な仕打ちを受けたり、時に至高の喜びに立ち合えたりと大変面白いもので、組織を維持成長させていく過程は答えのない問いを解き続けるようなものだと感じています。

そうして出来上がったいく組織というものはある種の芸術作品に似た趣があります。

 

私は、特別組織運営に興味を持っていたわけでもなく組織運営が得意だったわけでもありません。言うなればただの思い付きで組織を設立し、その流れで運営をしてきただけなので運営に対する知識などは全くありませんでした。

 

設立当初はノリと勢いで多少強引に組織を運営していましたが、設立して2~3年目くらいになるとノリと勢いだけでは運営が立ち行かなくなりどうしたものかと思い悩んだ時期があります。

 

そんな折にちょうど世間で流行っていたのが「もしも高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」通称「もしドラ」なる本です。

アニメ化や映画化もしているのでご存知の方も多いでしょう。

 

御多分に漏れず私も「もしドラ」なる作品が存在している事とある程度の内容は把握しておりました。

そしてこう思い至ったのです。

 

ドラッガーのマネジメント読めば、組織運営の糧になるんじゃないか?

 

人間の感情とはひどく単純なもので、こう思い至った時には立ち込めていた暗雲が晴れ渡ったかのような・・・ いや、さらに詳しく例えるならば一筋の雷が立ち込めていた暗雲を吹き飛ばしたかのような爽快な気持ちになったのを今でも鮮明に覚えています。

 

「思い立ったが吉日」これは私の人生の指針でもあります。

思い立ったのならやる他ない。若かりし頃に組織を立ち上げた時もそうでした。

何もせずに延々と悩むくらいならばやってみてから悩む方が遥かに良いと思っています。

 

この時もそうで天啓の如き閃きを得た次の瞬間には既にAmazonの買い物かごの中にドラッガーのマネジメントが1冊入っておりました。

思い立ってしまった以上買う以外の選択肢はない。至極当然な方程式です。

 

前置きが少し長くなってしまいましたが、そうして手に入れたマネジメントという1冊の本。

この本が組織を運営するにあたって如何に役立ったかを今日は語りたいと思い、延々とここまで前口上を述べさせていただいていたわけです。

 

前置きが長くなりましたがこのドラッガーのマネジメントという本、この本が如何に素晴らしい本かというのを皆様と共有していきたいと思います。

 

まずこの本を手に取った時、その十分な厚さと重みが我々に与えてくれる安心感の大きさは計り知れません。

十分に厚くそしてずっしりとした重み・・・ それはこの本の中に詰まっている情報の多さ、そして濃さを物語っているのだと感じます。

そしてその瞬間、この本こそ我々の前に立ちはだかる大きな壁を打ち砕く力なのだと気付くのです。

 

更にこの本を購入することで「自分は組織運営のためにマネジメントという本を買った」という事実を手に入れられます。

これもマネジメントを購入して得られる大きな効果の1つです。

 

組織運営のためにマネジメントを購入した。それは即ち組織運営という命題に対して真剣に取り組んでいる証拠です。

つまりマネジメントという本は、組織運営に真剣に向き合っている自分と対面できる鏡とも言えるでしょう。

 

またマネジメント不所持の自分からマネジメント所持の自分に変われたということは、それだけで大変大きな自信に繋がります。

私自身もこの自信に大変救われてきました。

何か運営で行き詰まった時も「自分はマネジメントを持っているんだ。」という謎の自信が湧いてきて、不思議な力によって様々な局面を乗り越えることができました。

 

ここまで読んでくれた方はお気付きかもしれませんが、この時点で私はまだマネジメントを読んではいません。

故に組織運営に対する知識は何1つ増えてはいません。

しかしプラシーボ効果という表現が1番近いでしょうか。

自分はマネジメントを持っているから大丈夫だという思い込みが実際に良い影響を与えてくれていたように感じます。

 

プラシーボ効果というと皆さんは「鶴の恩返し」という昔話をご存知でしょうか。

おじいさんに助けられた鶴が人間に化けて恩返しに現れ、自分の羽を使い機を織る。機を織る姿は決して見ないでくださいと言われていたおじいさんは欲に負けその姿を見てしまう。姿を見られた鶴はその場から立ち去り二度とおじいさんの元へ姿を見せることはなかった。

 

と、こんなお話しですが実はこのお話、江戸時代に実際にあったプラシーボ効果の話が元になっていると言われています。

 

ある男が病にかかり床に伏せてしまった。何件も医者にかかったが原因がわからず困っていると、その男の妻が良い薬があると数粒の白い薬を男に手渡す。いわく「妻の家系に先祖代々伝わる秘伝の薬」とのこと。これを飲めばどんな病もたちどころに良くなるらしい。

妻の家系を先祖代々高名な医者の家系だったと聞き及んでいた男は喜んでその薬を飲む。するとこれまでの不調が嘘のようにすぐに病が治った。これは凄いと妻にその秘伝の薬の作り方を聞くと、この薬の作り方を他の家系に伝えることは禁じられていると言われ教えてもらうことはかなわなかった。

その後、再び男は原因不明の病にかかる。妻に以前飲ませてくれた秘伝の薬を作ってくれと頼むと妻は「秘伝の薬を作っているところは決して見ないでください」と言い炊事場へ消えた。よせばいいのに男は欲に負けて炊事場を除いてしまう。そこにはせっせと小麦粉をこねて丸める妻の姿があった。秘伝の薬など最初からなかったのだ。

その事実を知ってしまった男にはもう二度と妻の作った秘伝の薬が効くことはなかったという。

 

この思い込みの力は病をも治すという江戸時代にあったプラシーボ効果のお話が鶴の恩返しの元の話と言われています。

まあこれは私が考えた嘘なのですが、それくらいプラシーボ効果というのは凄いのです。

 

少し話は脱線しましたが要するに何が伝えたいかというと、マネジメントを買うだけで運営に対する自信が付き運営がうまく行くようになる。

だからマネジメントは凄いということです。

 

読まなくても運営が上手くいくなんてまるで夢のような著書です。

実際に購入しただけで全く読んでいない私が言うので間違いないです。

 

とにかく皆さん、組織運営に悩んだらドラッガーのマネジメントを購入してみてはいかがでしょうか?

いつだって気持ちよくなった方の勝ち

「俺、外に出すの上手いから。」

この言葉が半年前くらいから俺の心に引っかかって取れない。

なんてことはない。

何気なくした検索に引っかかったただのエロ動画の名前も知らない男優が放った言葉なんだけど…

 

このなんてことない言葉が俺の心を捉えて離さない。

 

この男優がこの発言をするに至った経緯なんて取り立てて書くほどでもないけど

至って簡素に、かつ何の感情も無く書くとするならば

 

男女が乳繰り合ってて、盛り上がって来た男が本番行為をしようとしたら女の方が若干の抵抗を見せて、それを説得させるために男がこの発言をしたというわけ。

 

「俺、外に出すの上手いから。」

 

より正確に表記するのであれば

 

「俺、外に射精すの上手いから。」

 

いつもならば聞き逃してしまってたと思う。

そもそも大多数の人はエロ動画を見るにあたっていちいち男優のセリフなんか気にもしてないだろう。

 

でもこの言葉は絶対に吟味する必要がある。

聞き逃してしまうのは勿体ないんじゃないかって本能的に思った。

 

だって外に出すのが上手いんだよ?


すげー哲学的な響きをそこに感じた。

そもそもそういった行為の根本的な目的って繁殖なわけで、上手い下手を定義しようとすると外に出してる時点でもはや土俵にすら立ててないっつーね。

試合にすらなっていない。

 

それでも敢えて、外に出すという種目に絞って優劣を付けるとするならば、何を持って上手い、下手ということにすればいいんだろう?

この男優は何を持って自分を上手いと定義したんだろう?

謎が謎を呼ぶ。

 

俺が思うに外に出すのが上手いっていう以上は、百発百中で外に出してないといけないよね。

これは当然。

当たり前だけどただの一滴でも中に出してしまったらその時点でアウト。

ここは上手い下手とかじゃなく、なんて言えばいいかな…

『外に出すのが上手い選手権』というフィールドに立つための出場資格とでも思ってもらえればいい。

 

これをクリアした男だけが外に出すのが上手い選手権の土俵に立てるんだけど、こっからがもう泥沼の闘い。

 

だってこの先の優劣を判断する術を我々人類は持ち得てないから。

たぶん外にまき散らすヤツとか、逆に女優のヘソ目がけて出すヤツとか色々出て来る。

そこらへんは試行錯誤。

それでもあの男優は自信満々に上手いっつってた。

なんなら外に出すことにおいて俺の右に出るヤツはいねぇよって感じだった。

と、いうことは最低条件をクリアしたその先に、ヤツの溢れんばかりの自信の根拠があるのかもしれない。

もしかしたらブツを引き抜いた後、綺麗な4回転ジャンプしながら出すのかもしれない。

それを見せられたら俺も

「外に出すのうめぇじゃん」って納得せざるを得ない。


はたまたブツを引き抜いた後に数メートル先に置いてあるティッシュ目がけて出すのかもしんない。

しかも出された物は一滴も零れることなく、全てティッシュに包まれるのかもしんない。

更にはその包まれた状態のままでゴミ箱にホールインワンすんのかもしんない。

これだったら高得点間違い無し。掃除の手間が省けて良い。

文句なしで外に出すのが上手い。

もうこの時点で俺は、男女の絡みには全く興味を持っておらず

なんなら女優ばっかり映すカメラアングルをじれったいとさえ思ってた。

俺が見たいのはただただこの男が外に射精す瞬間。そこだけ。

そうやって、いつになく真剣に動画に見入ってたら

こいつ最後の最後で ア゛アアアアアアアアア っつって普通に中に出しやがったからね。

えー?なんでー?

ア゛アアアアアアアアア じゃねぇよ。

いや、なんかおかしいなぁとは思ってたよ。

すげー腰振るの早くなってきてさ、もう出るんじゃね?ってその瞬間まで全く腰を上げる気配なかったからさ…

これはもしや…なんて思ったりしてたよ。

でもなんていうかかさ、こっちは期待して見てたわけじゃん?

この瞬間に限ってはお前が主役だったわけじゃん。

もう後半戦、君ってば尻しか映ってなかったけど

それでもここに一人、お前に希望を見出してる男がいたわけよ。

それがなんだこの体たらく。びっくりしたわ。

 

この世の中は、いつだって気持ちよくなった方の勝ち。違うか? 

交響詩篇エウレカセブン】  ---チャールズ・ビームス


と、いうわけでこの一連の事件は結局アイツの勝ちで俺の負け。

人生なんてそんなもんだよな。

みんなもAVを見る時はそこまで感情移入せずに用法用量を守って正しくお使い下さいってことで。

擬態

さて、このブログやXなんかでの俺の発言を鑑みるに

この人は本当に義務教育を受けてきた大人なのだろうかという疑問が湧くことがあるだろう。

それどころか本当に文明人なのか?ネアンデルタール人とかアウストラロピテクスあたりではなかろうかと思うのもごもっとも。

俺も実はそうなんじゃないかなって思ってる。

では、そんな俺が普段どうやって生活しているのかというと…

割とね、こう上手に擬態してる。文明人になんとか擬態して生きてる。

こないだもコストコで待ち合わせをしててさ… 何の因果か待ち人来ず。

どうもバスが渋滞に捕まっているらしい。

そんでコストコってさ、あれ誰かが会員証持ってないと入れないわけ。一見さんお断り。

こんなとこにもあったかーって思ったよね。

一見さんお断りってさ、もっとこう例えば京都の方の舞子さんがいる店とか、高級料亭とかそういった格式高い俺には縁のない世界って思ってた。

まあ生きてれば1回くらいは会うこともあるかもしれないなって感じだったのにまさかこんなとこで会えるなんてねー。

あれだよ。ほんとコミケ行ったら叶姉妹いたぐらいの衝撃。

ここでー?って感じ。

でもまあ入れないもんは仕方ないんで、会員様(待ち人)の到着を待つしかない。

でも目下寒空の下なわけで、こちとらさっさと買い物して帰るかって気分なので全然寒空の下で待つことを想定してない服装なわけ。

なんならサンダルとか履いてきちゃってるわけ。

まあそこはコストコも考えてるよね。

ちゃんと会員証無くても入れるカフェスペースみたいなのを用意してた。

見つけた瞬間、安堵の気持ちでいっぱいになったよね。

あれだよ、気持ちとしては雪山で遭難中に山小屋見つけたくらいの安堵感。

俺、死なないで済むって思った。

そんでまぁそこ入ってさ、ドリンクバー頼んだわけ。

したらカウンターでお姉ちゃんがすっげー笑顔で「どうぞー!」って

紙コップ渡してくれて、後は好きにしなってな具合で「次のお客様どうぞー」ってもう次の人迎え入れようとしてるわけ。

いや、待てと。

まだ俺のターンは終わってねぇだろ。

これ(紙コップ)どうすりゃいいんだよ。

どこか別れたはいいけど未練たらたらで、次の日とかに「やっぱ別れるの無しにしない?」って言ったら相手にはもう新しい彼氏できてた時の気分に似てた。

置いてけぼり感が凄まじい。

もしかして好きだったの俺だけー?って感じ。

でももう次の人も来てるし、なんか俺お呼びじゃない感じだし

そこはサッとはけて、空の紙コップ持ったまま突っ立てた。

あのハチ公ですら、もう少しウロウロしてたんじゃねぇのってぐらいの棒立ち。動かざること山のごとし。

ただね、視界の端の方にたぶんコレじゃないかなーって機械は見える。私ドリンク出すわよーって雰囲気で佇んでらっしゃる。

しかしそこは俺もデキる男。闇雲には動かない。確信が持てるまでは微動だにしない。

それでいて、ただただ棒立ってたんじゃなくじっくり観察してた。

俺と同じ紙コップ持った中高生共がそこでドリンクを注いでるのが見えた。

 

間違いない。

そこからはもう自信満々ですよ。何せ確認したんだもん。

なんなら、ここ常連ですから。みたいなドヤ顔でドリンクバーの機械に近づいてった。

しょうがないなードリンクバーのやつめ。今日も一丁転がしてやりますかみたいな感じで、さてさて何を飲もうかねってラインナップ見たらさ

ペプシペプシNEX、マウンテンデューなっちゃん(オレンジ)

え、なに?そのラインナップ…ってね。

合ってる?ここで合ってる?って再度不安が襲ったよね。

なにせ4分の3が炭酸なわけ。

4分の4が甘いやつなわけ。

勇者、遊び人、遊び人、遊び人、みたいなパーティーが出来上がっちゃってる。

紙のカップ渡された時点でこれは熱いヤツはないなって諦めてたんだけど、お茶かコーヒーでも飲めばいっかって思ってた。

まさか選択肢の中にどっちも入ってないなんて考えてもみなかった。

まあ考えても仕方ない。炭酸あんま好きじゃないしなっちゃんにしようってなっちゃん入れた。

それでとりあえず席に付こうとしたんだけど周りを見ると明らかな違和感があった。

あれ?みんなその蓋とストローどうしたの?

俺と同じカップ持ってるヤツ、全員カップに蓋してあってそこにストローが突き刺さってる。

待って?それどこで貰えるやつ?

なんで普通にみんな蓋とストロー取ってるわけ?何処にあんの?それ学校で習った?

ほんと、さも当たり前のように、小学生くらいの女の子ですら蓋にストローぶっ刺してるわけ。

小学生にして貫通済みなわけ。

とんだアバズレ集団の中に投げ込まれてしまった。

かくいう俺のカップはというと潔いまでに純潔。

まだ何者にも刺されてない紛うことなき処女。

隣の高校生の集団が

「見ろあいつ、まだ未貫通だぜ?」って嘲笑ってる(気がする)

向かいの小学生くらいの女の子が

「お兄ちゃん、貫通は簡単だよ?」って憐みの目で見てる(気がする)

駄目だ、俺にここは早すぎたんだ。

俺みたいな人間は寒空の下で凍えながら人を待ってれば良かったんだ。

ちょっと気取って「ゆっくりでいいよ。ドリンクバーで待ってるから。」なんて言ってた過去の自分をぶん殴りたい。

なんて言ってたら待ち人が来た。

第一声が「なんでストロー無しで飲んでんの?」だったもんで

最後の気力を振り絞って最後の強がり

「なんつーか、気分?」なんて言ったりしてなっちゃん一気飲みして、その場を後にしたよね。

あの場において処女を守り抜いたことだけが唯一の誇り。

 

結局、蓋とストローが何処にあったのかはわからず仕舞い。

誰か教えて?

まあ何が言いたいのか途中から全然わかんなくなってんだけど

要するにこんな感じで頑張ってヒトに擬態して生きてる。

なんとかヒトとして生活してる。

読み返してみると全然擬態しきれてないかもって感じもあるけど

8割方ヒトっていうか

なんかヒトっぽいよねアイツってことでここはひとつ。

意識高い系

唐突だけど割と俺、人を嫌いになることはないんだよね。

 

ただそんな俺でも相容れないというか、端的に言うと嫌いな人種ってのがいてね

それがまあ俗に言う意識高い系ってやつ。

いや、意識が高いってのは良いことだ。

向上心があるってことは成長に繋がることだし

「精神的に向上心のない者は馬鹿だ」っていつか1,000円札に描かれていたおっちゃんも言ってたしね。

ただあのおっちゃん、精神的に向上心はあったし意識は高かっただろうけど

同時に I LOVE YOU を「月が綺麗ですね」って訳すという

すげーピュアな心も持ち合わせてたの。

なんなら生涯童貞だったとさえ言われてんの。

間違っても自分の意識の高さをSNSでアピールしたり

こっちがわかりもしない英単語をさも当たり前のように並べつらったりはしないわけ。

つまりね、俺意識高いでしょ?ってアピールしてくるヤツが嫌い。

俺なんかアレだよ?

もっぱらXっていうフィールドしか歩かないというか、そもそもあんまりSNSという類のゲームをしていないんであんまりエンカウントしないけど

たまにね、ごくたまにFacebookとかインスタとかさ

そっちの世界ってどーなってますー?って気になることがあって

ちょっとやってるー?ってな具合で居酒屋の暖簾をくぐるくらいの軽い気持ちで、そういう世界のフィールドに入ってみることがあるんだけど

もうね…  エンカウントしまくり。

あれ? これちゃんとテストプレイした? デバッグしてる?

エンカウント率、桁1つ間違えて入力したりしてない?

ってぐらいのエンカウント率。攻略本が欲しい。

もうそこら界隈でね、エビデンスがどうだ

コンセサスがどうだだの、ベネフィットがコミットがみたいにね

あれ? 俺そのモンスター知らないなっていう新種のモンスターが右往左往してるわけ。

ほんと攻略本が欲しい。

コミットに至ってはもうスライムばりのエンカウント率。

お前それコミット言いたいだけじゃねぇ?って疑問すら湧いてくる。

しかもお前らがコミットコミット言う度に

俺の頭の中ではコメットさん出てきてるからね?

お前らが意識高いアピールをすればするほど

俺の頭の中はコメットさんでいっぱいになっていくわけ。

そんでね… それ帽子大丈夫? 落ちない?

ってもうコメットさんの帽子事情の方が心配過ぎてお前らの話が全然頭に入ってこないわけ。

いや、でもね…

俺がコメットさん見てたのって幼少期のことじゃん。

それ以来は全く結果にコメットすることなく生きてきたわけで

俺の記憶の中にあるコメットさんが実際のコメットさんとかけ離れている可能性もある。

案外、実際見てみたらさ…

あ!帽子大丈夫じゃんってなるかもしれない。


そう思ってね、調べましたよコメットさん。

 

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全然大丈夫じゃなかったよねー。

むしろ記憶の中のコメットさんより帽子が遥か上を目指してた。

もう帽子から伝わる向上心が凄い。

ここにも意識高い系がいた。

8割方被ってなかった。なんていうか…乗ってる?

もう乗ってんのかどうかも怪しい。浮いてるかもしれない。

でも調べるとやっぱいろいろ発見はあるもんでね

俺の記憶の中のこの画像のコメットさん2代目らしいんだよね。

コメットさんが襲名制だったっていうね

もうこれだけで衝撃的だったんだけど

初代コメットさんが凄かった。

 

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帽子大丈夫??

なんというか初代の方が更に帽子の向上心がすごいっていうか

もう上を目指し過ぎて括り付けられちゃってる。

もう上へ上への志向が高すぎて全く下に行く気はないよね。

どう見繕っても下へは行けないサイズ感。

そんでもってコメットさんサイドも「てめぇだけ上に行かしてたまるか」っていうね

なんというか執念みたいなもんで帽子を自分に括り付けとくっていうね。

敢えて言わせてもらうなら泥試合。

っていうかもう行かせてあげなさいよ。

あれじゃん?

なんかあなた帽子ありきのコメットさんみたいに思ってるのかもしれないけどさ…

もっと自分に自信持って!!

帽子なくてもコメットさんはコメットさんだし

俺、帽子の有り無しでコメットさんを評価したりしないから。

つーか、そういう上を目指すヤツの邪魔するのは良くないし

帽子には帽子の、コメットさんにはコメットさんの人生があるわけだし

お互い無理矢理一緒にいることはないというか

控えめに言ってもそこまで帽子似合ってねぇよ。

でもね、ここに来て思ったよね。

もしかして意識高い系嫌いっつって、そういう人達の貶めようとする俺って

猪突猛進に上を目指す帽子を自分に括り付けてるコメットさんと一緒なんじゃないかなって。

上目指すことは決して悪いことじゃないじゃん?

このコメットさん見てもわかるように手を取り合ってってのは無理だと思うけどさ…

帽子には帽子の、コメットさんにはコメットさんの人生があるみたいに

俺には俺の、意識高い系には意識高い系の人生があって

決して交わることはないけど平行線のようにさ

遠くから見守ってるよーって感じで良いんじゃないかと。

コメットさん通して達観したよねー。

コメットさんサイドもそこまでのメッセージ性は含んでなかったよ?ってビックリするぐらいの達観ぶりだよねー。

まあそんなわけでね

意識高い系の方々が結果にコミットしながら生きてくんなら

俺は俺で結果にコメットしながら生きてこうって

そういう感じで今回は締めときます。